エネルギーのある映画
自分の中にある欲を、手放したくなる映画だった。
けれど、欲を手放してしまうと、より良く生きたいという想いも貫けなくなるから、難しいな……。
環境が変わって、自分の中に入ってくるものが多い時こそ、大切なものを守りつつ、それも掴み取るための手段を、真剣に考えなけれないけないのだろう。
そして、新しく入ってくるもののエネルギー量によって、自分の守りたいものが消失してしまうようなら、潔くその新しいものを手放すことも大事なのだろう。
本当の豊かさがなんであるかを、早い時期からキャッチしている人の人生は、きっとこの姫の笑顔のような日々を、多く過ごせているのだろう。
自分が笑顔でいられない場所に、長く居続けてはいけない。
子どもたちにも伝えたいことのひとつだ。
もしも、そういう場所に身を置いてしまった時は、その環境(その時の場所や身の回りにいる人たち)の全てを失ったとしても、切り離すための努力をしなければいけない。
そして、もしも子ども達がそうなってしまった時は、いつでも全力でバックアップするよ、と日々の中で伝えていくのが、親や周囲にいる大人の役目のような気がする。
本も、映画も、人の評価よりも、自分が多くを感じ、心が動いたものが良いものと考えている。
この映画は、両方を持つ、とてもエネルギーのある映画。
静かな映像のひとつ、ひとつが、じっくり見つめた絵画のように脳裏に浮かぶ。
製作に8年かかる訳だよな。
また数年後、必ず観よう。