Sun Catcher

結局は、最期の瞬間に自分を褒められるかどうか

熱のある良書

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良書に2冊出会った。

2冊に共通している著者は馬場拓也さん。

アルマーニトップセールスマンである馬場さんが、介護業界に飛び込んだ動機は、「アルマーニよりさらに高いステージでホスピタリティを試したい」からだそう(『介業界の人材獲得戦略』より)。

馬場さんは、本書の中で介護職を究極のサービス業と記し、自らが経営企画室長を務める、社会福祉法人愛川舜寿会ミノワホームにて、そのホスピタリティをフル回転で実践されている。

また、上の『介護男子スタディーズ』も、馬場さんが関わる介護男子スタディーズプロジェクトから生まれた、画期的な書籍。

 この2冊を通して、これまで深く触れることのなかった介護業界の現状を学べたことは喜びだけれど、それよりも増して感じたのは、介護業界のために、もっと言えば日本のために、尽力を注いで活躍されている方の熱に触れられらたことが、本当に嬉しかった。

 

私自身、短大を卒業して初めて務めた幼稚園で、「私たちの仕事は究極のサービス業です」と園長先生に言われた。「やりすぎて叱られることはないけれど、やらなくて叱られることは、大いにある。できる限りのサービスを」とも。

20歳の私はとても未熟で、教育とサービスという言葉の差異を感じて首を傾げながら、それでも、叱られるのは嫌だな…と、必死でクラスの子を観察する目を育てた。

登園時から帰りまでの間に、体調面や友だちとの様子などで変化があれば、手紙を書き、手紙が書けない時は、その日のうちにご自宅に電話をして、保護者へ伝達する。

また、面談などで、保護者に子どもの良くない点を告げなけらばならない時は、必ずその倍は良いところを伝えるようにしようと考えていたことで、日々の保育の中で、小さなエピソードを拾いあつめることに重点をおいた。

 

子どもの変化に目を向ける習慣が身についた背景にある動機は、叱られることのないように…、という何とも未熟な発想だったけれど、徹底してそれを行ってきた結果、「良いところのない子なんて1人もいない」という確信を自分の中に刻むことができたことは、その後の子どもたち(我が子へも)との関わりに大きな影響を与えたと思っている。

馬場さんの本を読んで、私はとても有難く、導きのある経営者(園長先生)に、出会えたのだな、と改めて感じた。

 

誰かのために、心と頭と体を動かす時間は、自分自身を成長させる。

3人の子を育てる日々の中で、それは痛いほどに感じているし、自分のために生きていた頃より充実していると言える。

けれど、子どもたちには、今の子ども時間を、存分に自分のために生きて欲しい。

そして、いつか成長の先で、自分ではない誰かのために、頭や心や体を動かす時間を生きて欲しいとも思う。

その頃になったら、彼らにこの2冊を薦めてみようとも思う。

 

読んでいる間も、読んだ後も、自身の中で熱い自問自答が繰り返される。

私にとっての良書とは、きっと、そういう本なのだと思う。